BUFFALO Wi-Fi 7対応トライバンドルーター「WXR9300BE6P」レビュー
こんにちは、Yuma(@yuLog_jp)です。
BUFFALOから、2024年11月にWi-Fi7に対応したハイパフォーマンスモデルのトライバンドルーター「WXR9300BE6P」が新登場。Wi-Fi 7ならではのMLOや新バンド6GHz320MHz幅に対応し、最大通信速度や接続の安定性が大きく向上したモデルです。
2024年2月に発売したフラグシップモデル「WXR18000BE10P」は初のWi-Fi 7対応ルーターとして注目を浴びましたが、中々高めの価格がネック。対して今作の「WXR9300BE6P」は、3万円弱と同カテゴリーの中では控えめ価格が魅力的。
iPhone 16シリーズやXperia 1 VIなどWi-Fi 7に対応したスマホが販売されてきた中、遂にお求めやすい価格でBUFFALOから新登場!
メーカーよりサンプルを送っていただきしばらく使ってみたので、Wi-Fi 7の実力はどんなものなのか?BUFFALOのWi-Fi 7対応ルーター「WXR9300BE6P」の使用感などレビューしていきたいと思います。
- BUFFALO:WXR9300BE6Pをレビュー
- 特徴、メリット、デメリットを紹介
BUFFALO : Wi-Fi 7対応ルーター”WXR9300BE6P”の「特徴」
製品名 | WXR9300BE6P |
---|---|
メーカー | BUFFALO |
無線LAN規格 | 5GHz:IEEE 802.11be/ax/ac/n/a 2.4GHz:IEEE 802.11be/ax/n/g/b | 6GHz:IEEE 802.11be/ax(320MHz対応)
周波数(チャネル) | 5GHz:W52/W53/W56 2.4GHz:1~13ch | 6GHz:191~283ch
無線セキュリティ | WPA2 Personal WPA/WPA2 Personal WPA2/WPA3 Personal WEP(128-bit/64-bit) OPEN | WPA3 Personal
有線LAN | 10Gbps × 1ポート | 1Gbps × 4ポート
サイズ | 230 × 163 × 60mm |
重量 | 約790g |
価格 | オープン(予想実売価格 税込34,980円) |
BUFFALOのハイパフォーマンスモデルの新作ルーター「WXR9300BE6P」は、次世代の通信規格”Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)”に対応しており、これまでのWi-Fi 6(6E)対応ルーターとは一線を画す性能を持ってるのが特徴的。
Wi-Fi 7ならではの6GHz帯320MHz幅に対応したことで、複数デバイスの通信を並列で処理する性能が向上。これにより、今までのWi-Fi 6(6E)より最大3.7倍もの高速通信が可能に。理論値ですが、最大通信速度は36Gbpsまで増加しています。
また、Wi-Fi 7で導入されたMLO(Mluti-Link Operation)は、2.4GHz・5GHz・6GHzの異なる周波数帯を同時に活用することで遅延を最小化。つまり、ネットワークに負荷がかった状況でも速度低下や遅延を効果的に回避してくれるので、オンラインゲームや高解像度の映像配信など低遅延が求められるシーンに活躍してくれます。
Wi-Fi 7の詳細は、BUFFALO公式サイトで解説されてます
その他、OFDMAとMU-MIMOによる高効率通信による、多数のデバイスが同時接続しても帯域幅を効率的に配分できたり、QoS(Quality of Sercive)によるトラフィックの最適化、スマート家電をサイバー攻撃から守る「ネット脅威ブロッカー2 プレミアム」の搭載や外部アクセス制御が備わっていてセキュアなネットワーク運用ができるモデルとなってます。
同カテゴリの中では比較的価格も安い!初めてWi-Fi 7対応ルーターを使ってみたい方におすすめです
BUFFALO : Wi-Fi 7対応ルーター「WXR9300BE6P」の使用感
開封〜同梱品など
パッケージ外観はこちら。BUFFALOのブランドカラーである赤×黒色が印象的なお馴染みのパッケージ。中身も丁寧に梱包されています。
- ルーター本体
- スタンド
- 2m LANケーブル(Cat6A)
- ACアダプタ
- 取扱説明書 一式、保証書
- ネット脅威ブロッカー2 プレミアム1年間無料ライセンス
BUFFALOの取説の豊富さは毎度すごい。簡単にルーターを移行できる「引っ越しガイド」や「EasyMeshでの接続手順」、1年間の無料ライセンスが付属する「ネット脅威ブロッカー2」の使用方法など、これでもかと言わんばかりに丁寧に解説された取説が付属します。
ここらへんはさすがのBUFFALO。初めての方でも戸惑いなく安心して切替できるかと思います。
洗練されたスタイリッシュなデザイン
WXR9300BE6P外観がこちら。少し近未来感があってカッコいいですよね。ブラックを基調とした色合いで無駄な装飾もなく、どんな部屋でも馴染みやすい仕上がり。
正面下部には、ランプで接続状態がわかる仕様。左から、WIRELESSランプ、INTERNETラプ、ROUTERランプ。中央にはPOWERランプが配備されてます。
背面には、SSIDやPWなどが印字。一応壁掛けもできる仕様となってます。
接続端子は、(下から順に)電源ポート、電源ON/OFF、10GbEのINTERNETポート、USB 3.2(Gen1)Type-A、1GbEのINTERNETを4つ搭載されてます。
正面からみて左側には、AOSSボタン、ROUTER/AP/WBスイッチ、AUTO/MANUALスイッチ、RESETボタンが配備されてます。
ちなみサイズは、230×163×60mm(本体のみ)。アンテナを含めるとさらに倍近くのサイズ感となるので、設置スペースはそれなりに確保しておく必要があります。
WXR9300BE6Pへの切替と接続方法
ルーターの引っ越し作業って億劫に感じるのは僕だけじゃないはず。ただしこのルーターは、数ステップで切替が完了するほどめちゃくちゃ簡単。移行方法として、次の2つの引っ越し機能が搭載されてます。
- スマート引っ越し(BUFFALOルーター限定):SSIDや暗号化キー、プロバイダー情報などを含む設定をほぼ丸ごと移行できる
- 無線引っ越し(他社ルーター):新旧ルーターのAOSS/WPSボタンを押すだけでSSIDと暗号化キーを移行できる
今回僕は無線引っ越し機能を使って移行しましたが、10分ほどで切替できちゃいました。これでもかと言わんばかりの丁寧すぎる取説のおかげでございます。
この機能の凄いところは、WXR9300BE6Pで今までのSSIDや暗号化キーをそのまま引き継いでくれること。つまり、iPhoneやMacなどのデバイス側の再設定がいりません。これは楽すぎ。
参考に、無線引っ越し機能の流れを紹介しておきます
ONUやルーターの電源をOFFにした後、WXR9300BE6PのINTERNET端子にLANケーブルを差し込みます。数分待ってルーターが起動したら、スマホでネットが繋がるかどうか確認して終了です!
【Wi-Fi 7対応】MLOで遅延を最小化
WXR9300BE6P最大の魅力は、最新規格”Wi-Fi 7″対応による通信速度や安定性が向上していること。今までのWi-Fi 6(6E)と比べると、次のような違いがあります。
規格 | Wi-Fi 7 | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 6 |
---|---|---|---|
周波数 | 5GHz 6GHz | 2.4GHz6GHz | 5GHz | 2.4GHz
最大通信速度 | 36Gbps | 9.6Gbps | 3.5Gbps |
– 変調方式 | 4096QAM | 1024QAM | |
– ストリーム数 | 8 × 8 | ||
– 帯域幅 | 320MHz幅 | 160MHz幅 | |
その他 | MLO | MU-MIMO TWT | OFDMA
要約するとWi-Fi 7では⋯
- 最大通信速度が3.7倍高速化した36Gbpsまで増加
- 今までのWi-Fi 6Eで使えた6GHzの320MHz帯域幅に対応したことで(=一度に通信できる幅が拡張)、2倍の通信速度が実現可能に
- 変調方式が1024QAM(10bit)→4096QAM(12bit)に向上したことで、通信速度が1.2倍向上
- MLO利用より、複数の周波数帯を同時に利用できるようになった
のようなことが実現されてます。ちなみに、MLOでは、「3バンド同時モード(MLMR)」と「3バンド切替モード(MLSR)」の両方に対応してます。
- 3バンド同時モード:複数の周波数帯を同時に利用することで、通信容量が拡大し通信速度が向上するモード
- 3バンド切替モード:干渉波を受けても待機中の周波数帯へ素早く移動することで、遅延が起きにくくなり通信の安定化が期待できるモード
ということで、ものすごく通信が速くなったWi-Fi 7に対応したルーターなので期待大なのですが、先に注意点を挙げておくと、当然ながらWi-Fi 7に対応した端末を使う必要があります。
昔みたいにスマホを頻繁に替える時代じゃなくて価格も高くなってますが・・Wi-Fi 7対応スマホをお持ちの方は、ぜひWi-Fi 7に対応したルーターは用意しておきたいところです。
回線速度はどうか?測定してみました
気になる回線速度をWi-Fi 7に対応したiPhone 16 Proを使って測定してみました。計測環境は、次の通りです。
- 測定機器:iPhone 16 Pro(Apple)
- 光回線:SotfBank光(1Gbps)
- ルーター設置箇所:1階(木造2階建て)
- 計測サイト:Fast.com
- 計測時間:平日日中
WXR9300BE6Pで測定した結果がこちら。
周波数 | 2.4GHz | 5GHz | 2.4+5+6GHz MLO |
---|---|---|---|
1階 ※ルーター設置 | 63Mbps | 570Mbps | 470Mbps |
2階(真上) | 61Mbps | 360Mbps | 420Mbps |
2階(ルーターと対角線上) | 34Mbps | 330Mbps | 290Mbps |
回線元が1Gなので既存ルーターと大きな変化は見受けられなかったものの、外付けアンテナのおかげかどの部屋でも安定した通信速度が出ていました。
ちなみに「2.4+5+6GHz」周波数帯ですが、特別なにか設定したわけではなく初期設定で使えています。設定画面を見てみると、2.4GHz・5GHz・6GHzにそれぞれMLOがONになったSSIDが共通化されて設定されてました。
なお、5GHzは電波が強いW56帯(100〜144ch)がメーカー推奨らしいので、5GHz帯で少し物足りなさのある速度が出た場合は、チャネルも変更してみてください。
3軸回転 外付けアンテナで電波を狙い撃つ
WXR9300BE6Pには、4つの外付けアンテナを搭載(2.4/5GHz共通×2、6GHz専用×2)。2.4/5GHzと6GHzの各アンテナで持つ周波数が異なります。
アンテナに3つの回転軸があることで可動域が広がり、電波を飛ばしたい方向に自由にアンテナ角度を調整可能。アンテナの平らな面側が電波強度が強くなるという設計。サイズ感は大きく場所を取っちゃいますが、環境に合わせてアンテナの指向性を変えられるメリットは大きい。
ちなみに「アンテナ設定ガイド」という取説も用意されています。
電波の広がりを抑えて前後方向を優先したいのか、同一フロアの部屋全体をカバーしたいのか、電波を上下フロアに飛ばすのか、など設定例が載っているという親切設計。さすがのBUFFALOさんや。。
ネットワークエリアを広げる「EasyMesh」に対応
アンテナで指向性を変えても限度がある・・という時に使ってもらいたい機能が、BUFFALOの「EasyMesh」という機能。ルーター1台で電波が届かないときに複数のWi-Fiルーターでエリアを拡張するというもの。
「Wi-Fi遅い、繋がらない・・」なんてあるあるだと思いますが、EasyMeshに対応している機器であれば異なるメーカーでもメッシュネットワークを構築できるのでエリアを拡張したい方におすすめの機能。
BUFFALO独自の”干渉波を回避して接続できる”機能があるので、何かしらのノイズが出て電波が遮断されるシーンが出ても、2.4GHz⇔5GHz⇔6GHzを行き来することでノイズの影響を受けずに当たり前のように安定した通信ができちゃいます。
今やどの世代でもネットを使いますからね。。子ども部屋でもネット環境が使えるようにEasyMeshぜひ使ってみてください!
まとめ : ご家庭でもWi-Fi 7を体験できるハイパフォーマンスモデル BUFFALO「WXR9300BE6P」
ということで、BUFFALOのWi-Fi 7対応ルーター:WXR9300BE6Pをレビューしました。メリット・デメリットは次の通りです。
- 次世代Wi-Fi 7対応&安定したMLO
- セットアップが簡単!専門知識が無くても引っ越しできる
- Wi-Fi 7対応ルーターの中では安価
- 電波の指向性を変えられる外付けアンテナ付き
- EasyMesh対応
- ルーターの性能をフルに発揮させる環境構築まで敷居が高い(Wi-Fi 7対応デバイス&10G回線)
- アンテナが露出してるのでそれなりの設置スペースが必要
Wi-Fi 7対応ルーターって中々の値段なのですが、これが3万円台で買えるのは驚き。コスパにも優れたルーターでした。
最後に気になる点をあげると、そもそもWi-Fi 7対応デバイスが少ないのと、10G回線を引いてないとこのルーターの性能をフルで恩恵が受けられないことでしょうか。1G回線だと少し物足りなさを感じるので10G回線は必須かも。
ただこれからWi-Fi 7対応機器なんて当たり前のように出てくるでしょうし、ルーターなんて頻繁に買い替えるものでもないので、iPhone 16シリーズとかXperia 1 VIのようなWi-Fi 7対応スマホをお持ちの方など、今のうちにWi-Fi 7備えておきたい方には最適な1台になりそうです!
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