一瞬で出力切替ができる「BenQ beCreatus DP1310 」レビュー | MacBook Airで3画面出力対応の13-in-1ドッキングステーション
こんにちは、Yuma(@yuLog_jp)です。
“仕事も遊びもこれ1台で“、BenQが提供する拡張デバイスブランドBenQ beCreatusシリーズの最新ドッキングステーション『BenQ beCreatus DP1310』。MacBook Air/Proは外部ディスプレイの出力に制限がありますが、DP1310はDisplayLink搭載で最大4K/60Hzで3画面出力ができるドック。価格は48,900円。
最大の特徴はドック正面右に配置する緑色のスイッチ。ボタンを押すだけで、PC⇔PC(or ゲーム機)間を一瞬で切替できるという珍しい機能を搭載。PCやゲーム機の出力を同じモニターで使いたい人、個人用PCと会社用PCを2台持ってるリモートワーカーにおすすめできるドックとなってます。
今回メーカーからサンプルを送ってもらったんですが、この緑のスイッチ切替が便利過ぎてもう他のドックに戻れないほど重宝してます。おすすめの使い方や少し気になった点も含めて、13-in-1 ハイブリッドドッキングステーション「BenQ beCreatus DP1310」をレビューしていきます。
- BenQ: beCreatus DP1310をレビュー
- 特徴、メリット、デメリットを紹介
BenQ beCreatus DP1310の「特徴」
製品名 | BenQ beCreatus DP1310 |
---|---|
入力端子 | HDMI 2.1×1 | USB Type-C×1
出力端子 | HDMI 2.0 DisplayPort 1.2 | HDMI 2.1
ネットワーク | LANポート RJ-45(10/100/1,000Mbps) |
オーディオ | ステレオミニ4極ジャック |
USBポート | USB Type-A×5 | USB Type-C×1
サイズ | 約156×103×40mm |
重量 | 約550g |
対応OS | macOS 11.5以上 Linux(Ubuntu)14.04以上 Android 5.0以上 ChromeOS R55 Build以上 | Windows 10以上
価格 | 48,900円 |
豊富なポートを備え、DisplayLink搭載で最大3画面のモニター出力ができるドック「BenQ beCreatus DP1310」。中でも魅力的な特徴を挙げると、この3つ。
- 「USB Type-C」と「HDMI 2.1」による2つのデバイスの入力をスイッチ1つでワンタッチ切替できること
- 最大4K/60Hzで3画面ディスプレイ出力ができる(USB Type-C:4K60Hz×3画面、HDMI2.1:4K120Hz/8K60Hz×1画面・USB Type-C:4K60Hz×2画面)
- 合計5ポート・180Wと充実したUSB充電ポート(USB Type-C PD 100W×1、USB Type-C PD 36W×1、USB Type-A 7.5W×3)
M2/M1 MacBook Airは外部ディスプレイの接続台数は1台までという謎の制限がありましたが、BenQのDP1310を使えば、最大4K60Hzでトリプルモニター化を実現できちゃいます。
他にも、MacBookやiPad・充電器やコントローラーなどのデバイスを計180Wで充電できる5つの充電ポートも搭載。
・・とここまでは至って普通のドックに搭載されてる機能なんですが、BenQ DP1310の一番の魅力は、この緑色のスイッチ。
このスイッチを押せば、ドックに接続している2つのデバイスの”入力元”を切替できます。具体的には以下2つの切替が可能。
1つ目は、USB Type-Cに接続してるPCを外部モニター1に優先する方法。ドックに接続しているキーボードやマウスなどのPC周辺機器を操作できます
2つ目は、もう一つの入力端子HDMI 2.1に接続しているゲーム機を外部モニター1に優先する方法。ゲーム機の代わりに、2台目のPCを接続することも可能(KVMには非対応)
PCやゲーム機の出力先をモニター1台でまとめてる方には、これめちゃくちゃ便利なんですよ。ゲーム機の代わりに2台目のPCを接続すれば、個人用PCと会社用PCをスイッチ1つで一瞬で画面を切り替えることができる。リモートワーカーにとってはめちゃくちゃ重宝する機能です。ただこの運用には、ドックに接続してるキーボードやマウス・LANポートなどには接続できない(=KVM非対応)ので要注意。
2台のPCを使ったおすすめの接続方法は後述してます!
本ドックを詳しくレビューする前に、Macのデュアル/トリプルモニター化について少し触れておきます。
BenQ DP1310を使えば、Macに最大3画面出力できるわけですが、実はDisplayLinkやInstantViewと呼ばれる特殊な技術が使われた対応機器を接続することで実現してます。BenQ DP1310はDisplayLinkを搭載したドックなので多画面化できてるわけですが、M2/M1 MacBook Airは仕様で外部ディスプレイは1台まで・・と制限がある中、無理やり多画面化してるので(本ドックに限らずですが)DisplayLinkのデメリットも少なからず存在します。
- DisplayLinkは、HDCPに非対応
どういうことかと言うと、2画面出力したモニターでAmazonプライムビデオを見ると・・こんな感じで画面が真っ暗になります。
「このデバイスはコンテンツ保護の基準を満たしていないため、このビデオを視聴することはできません」と表示されます。実際には音声だけ聞こえる場合やブラウザによっては見れたりするんですが、あらゆる面で制限かかる可能性があるので使えたものじゃありません。「HDCP DisplayLink」なんかでググると強制突破する方法もあるみたいなので気になる方は調べてみてください。
ということで、2画面(3画面)で映画や動画を楽しみたい方には、BenQ DP1310・・というよりはDisplayLinkは少なからずリスクがある、ということを踏まえた上で検討することがおすすめです。
BenQ beCreatus DP1310の使用感
開封〜同梱品など
まずは商品を注文するとエコパッケージに丁寧に包まれて登場。
同梱品は以下の通り、PCと接続するUSB Type-Cケーブル、モニターと接続するHDMIケーブル、接続方法が丁寧に取説されてる取説類が綺麗に梱包されて届きます。
- DP1310
- USB Type-Cケーブル(1.0m)
- HDMI 2.1ケーブル(1.8m)
- ACアダプター(180W)
- 取説類
アップストリームポートと接続する「USB Type-C」は、20Gbpsの高速転送や4K/60Hz出力、最大100Wまでの急速充電に対応。メインモニターと接続する「HDMI 2.1」は、PlayStation5やXbox Series X/Sとの接続に最適な8K/60Hz(4K/120Hz)の高解像度ケーブル。
こちらは電源アダプター。180Wクラスということでサイズ感は大きめなのは仕方なし。ケーブルトレーにひっそりと隠しておきましょう。
Macと親和性のあるスタイリッシュなデザイン
ドック本体にはアルミニウム合金を採用し、光沢を抑えた作りでMacBookとも見た目の相性がいい感じ。放熱性を考慮したグリルデザインが印象的で、凹凸があることで面積が2倍になり放熱性を向上させているのだとか。
左側面と裏面には、ドックを固定するための滑り止めパッド(付け直し可能)が搭載。縦置き・横置きできるのでデスク環境に合わせて設置できます。
サイズは、約156×103×40mmとコンパクト。重さも約550gあるので、ケーブルに引っ張られずにガッチリ固定できる重量感があります。
13-in-1ドックの接続ポートについて
BenQ beCreatus DP1310の接続ポートは、次のとおり。
- 前面
- 入力切替スイッチ×1
- USB Type-A 3.2 Gen 2(10Gbps/7.5W給電)×2
- USB Type-C 3.2 Gen 2(10Gbps/PD36W 急速充電)×1
- 3.5mmオーディオジャック ×1
- 背面
- USB Type-C(10Gbps/PD100W 急速充電)×1※IN
- HDMI 2.1(最大8K/60Hz)×1※IN
- HDMI 2.1 ×1※OUT1
※USB Type-C:最大3840 × 2160 60Hz
※HDMI 2.1:最大7680 × 4320 60Hz(or3840 x 2160 120Hz) - HDMI 2.0 ×1※OUT2
※USB Type-C:最大3840 × 2160 60Hz - DisplayPort 1.2 ×1※OUT3
※USB Type-C:最大3840 × 2160 60Hz - 有線LAN(RJ-45,GbE)×1
- USB Type-A 3.2 Gen 2(10Gbps/7.5W給電)×1
- USB Type-A 2.0(480Mbps)×2
Dock前面ポート
ドック前面には、背面のINポートである”USB Type-C”や”HDMI”を切替するためのスイッチ、最大10Gbpsに対応した各種USBポート(Type-C×1、Type-A×2)、3.5mmオーディオジャックが配置されてます。
USB Type-CはPD対応で36Wの急速充電に対応してるので、スマホ/タブレットなどを充電するときにアクセスしやすい位置にあるのは◯。オーディオジャックもヘッドホン接続時の「サー」というホワイトノイズが入ることがなく、音楽や編集作業でも問題なく使えました。
Dock背面ポート
ドック背面には、USB Type-CとHDMIのINポートが2つ。外部モニターに接続するOUTポート(HDMI 2.1、HDMI 2.0、DisplayPort 1.2)が3つ。GbE対応のLANポート、電源入力、USB Type-A×3ポートが配備。
アップストリーム(IN)となるUSB Type-Cポートは、PDに対応し最大100WでPCに給電可能。MacBook Airクラスであれば問題ない性能ですが、一部のMacBook Proは電力が足りないので使用しているモデルを事前にチェックしておきましょう。
Macのモデル | 必要な電力 |
---|---|
MacBook Air(13インチ) | 30W(M3 8コアGPU,M2,M1,Intel) 35W(M3 10コアGPU 512GB) |
MacBook Air(15インチ) | 35W(M3,M2) |
MacBook Pro(13インチ) | 61W(M1,Intel) 67W(M2) |
MacBook Pro(14インチ) | 67W(M2 Pro 10コアCPU,M1 Pro 8コアCPU) 70W(M3 Pro 11コアCPU,M3) 96W(M3 Pro 12コアCPU,M2 Pro 12コアCPU,M1 Pro 10コアCPU,M3/M2/M1 Max) |
MacBook Pro(15インチ) | 87W(Intel) |
MacBook Pro(16インチ) | 96W(M1,Intel) 140W(M3/M2/M1 Pro,M3/M2/M1 Max) |
セットアップ|DisplayLinkのインストールが必須
冒頭の通り、Macで多画面出力するときにはDisplayLink(無料)のインストールが必須です。以下サイトからダウンロードできるので、ご利用のデバイス環境に合わせてインストールしておきましょう。
次にドックに各種デバイスを接続していきます。付属でクイックスタートガイドが届くので基本的にはこのガイドに沿って接続しましょう。
BenQ公式で動画でも紹介されています
スイッチを押すだけで一瞬で出力デバイスを切替できる
本ドック最大の魅力とも言える”緑のスイッチ”。PC1⇔ゲーム機(または、PC2)をこのようにワンタッチで切替できます。
PC1でお仕事しつ、ちょっと疲れたら緑のスイッチを押してゲームで気分転換・・みたいな感じで使える。切替の遅延も気にならないレベルで違和感なく使えますし本当にこれ便利。ゲーム機以外にも2台目のPCを接続する、という使い方もできます。
僕は、個人用PCと会社用PCをスイッチで切り分けることを想定して、以下のように接続しました
メインPCとなる個人用MacはUSB Type-C(IN)、会社用MacはHDMI 2.1(IN)に接続して、スイッチ1つで個人用Mac⇔会社用Macを切替できる環境を構築してます。ほぼフルリモート環境でお仕事してるのでスイッチ1つで一瞬で切替できる手軽さは本ドック最大の魅力だと感じました。
ただし、DP1310はKVMには非対応というデメリットも存在します。つまりHDMI 2.1(IN)側で接続しているデバイスには、ドックと接続してるキーボードやWebカメラなどが使えません。KVM非対応ということで以下の使い方で接続を切替してます。
- キーボード:個人用Macは有線接続、会社用Macは無線接続
- マウス:個人用MacはMagic Mouse(黒)、会社用MacはMagic Mouse(白)
- Webカメラ:個人用Macは(有線接続してる)Webカメラ、会社用MacはMac内蔵カメラ
マウスやWebカメラは物理的にモノを変えてて、キーボードは接続先を切替して・・という感じで使ってます。
KVM非対応ってことで「扱いにくいんじゃ・・」って思ってたんですが、僕の使用環境では煩わしさなく気兼ねなく切替できました。元々DP1310は、HDMI 2.1(IN)搭載ってことでPC⇔ゲーム機の切替のために制作されたドックなのでこんな使い方をするのは適してないかもしれませんが…一応2台のPCを接続できるのでご参考までに。
ちなみに、HDMI入力(この場合、会社用Mac)は外部モニター1のみ出力可能。2つ目の外部モニター2、3つ目の外部モニター3へは出力できないので、HDMIで入力しているデバイスの出力はモニター1台のみ、ということも覚えておきましょう。
M2/M1 MacBook Airで最大3画面に出力できる
本ドックを使えば、ディスプレイ接続に制限があるM2/M1 MacBook Airで夢のトリプルモニターを実現可能。しかも4K60Hzで。
仕事環境において「画面は広いほうが作業が捗るよね」という方には多画面モニターは必須。M2/M1 MacBook Airは外部モニターの接続台数が1台まで、という制限がある中(DisplayLinkをMacにインストールするだけで)簡単に多画面出力の夢が叶ってしまいます。最大3台までの外部モニターと接続して拡張できるので、手持ちのMacBookの画面と合わせれば4画面運用もできちゃいますよね。
ちなみに僕が使ってるモニターは、LGの34インチ曲面ウルトラワイドモニター(34WL75C-B)で切替は全く問題なかったのですが、BenQ公式では”30インチ以上の曲面型モニターの場合、画面切り替えができない可能性がある“ので、ご利用は自己責任でお願いします。
こちらのブログでウルトラワイドモニターの対応可否を詳しくまとめられてます。30インチ以上のウルトラワイドモニターをお使いの方はご参考に
あとやっぱりドックを使うメリットは、ケーブル周りが整頓できることですよね。MacBookとドックを接続するケーブルは、USB Type-Cの1本だけなので見栄えもスタイリッシュ。
MacBookを閉じたクラムシェル運用の動作も安定してます。ドックによっては、Macの画面を閉じたり開いたり・・モニター電源を入れ直さないとモニターが映らないケースがありますが、DP1310はこんなトラブルは皆無でした。
全然熱くならない放熱性の高さ
ドックといえば発熱問題が気になりますが、DP1310は僕の環境では全く心配なし。朝から寝る前までずっとフルで多画面環境で使っていてもほんのり温かくなる程度の熱さでした。
素材もアルミニウム合金ですし、凹凸のあるデザインで面積が2倍に増えてるおかげか熱がこもりにくい構造なんですかね。ヒートシンクも不要で放熱性が高いので発熱はかなり抑えられてました。
ちなみに緑のスイッチを3秒間長押しすれば、ドック本体を電源OFFできるので僕は作業が終わったらOFFにしてます。放熱性は高いんですが、電源付けっぱは抵抗ありますよね・・。
SDカードスロットが無いのは残念..
最後に唯一物足りなさを感じたことは、SDカードスロットが非搭載であること。クリエイターの方には必須ですし価格も高めなので内蔵してほしかった・・。
13-in-1とポート数も豊富でサイズ感もコンパクトなので、構造上実装できなさそうですが・・あれば尚良かった..!!
まとめ : 複数PCをお持ちのリモートワーカーに最適な「BenQ beCreatus DP1310」
ということで、BenQの13-in-1ドッキングステーション「BenQ beCreatus DP1310」をレビューしました。メリット・デメリットは次の通りです。
- M2/M1 MacBook Airで3画面出力(4K60Hz)ができる
- 2つのデバイスを一瞬で切替できるスイッチが便利過ぎ
- アップストリームが100W給電に対応(ほぼ全てのMacBookで使える)
- グリルデザインで放熱性が高い
- 計180W・合計5ポートと充実した充電ポートが実装
- SDカードスロットは非搭載
- 価格はまあまあする…
DP1310は、外部ディスプレイ出力に制限のあるM2/M1 MacBook Airでも夢のトリプルモニター化できる点も魅力的ですが・・個人的には切替スイッチが便利すぎでした。複数のPC(ゲーム機)をワンタッチで一瞬で切替できる。今までのケーブル抜き差しやデバイスを移動させなくていいんですよ。ストレス皆無で作業に集中しやすい環境をこれ一台でカバーできるのは最高すぎました。
特に、MacBook Airを2,3画面出力がしたい方 × 複数PCをお持ちのリモートワーカーはこれ以上ない環境を構築できるドックなので、ぜひ手にとって体験していただきたいです!
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